ついに南アルプスの山、悪沢岳と赤石岳を捉えた


 「松の内公園の馬の背遊歩道」から「聖岳」「赤石岳」が見えると紹介があるが、一向に見えない。西の空が快晴の時でも見えない。肉眼だけではなく写真撮影しても見えない。本当に見えるのだろうか。
 1月7日に円海山から南に延びる尾根(鎌倉天園へのハイキングコース)を歩いたとき、庄戸住宅地の東の尾根から、西を見た時、富士山の北裾野の方角の低い山の間に、白く輝く点を見た。あいにく携帯電話のカメラしかなく、山と判定できる写真は撮れなかった。雲だったかもしれない。でも見えるとしたらあの辺りしかないのかもしれない。
 27日の日曜日。よく晴れている。これなら山の写真が撮れるかもしれないと思い、まず「松の内公園」(M地点)に。30倍のズームで富士の北裾野を撮影するが、やはり写っていない。この辺りに写っている低い山は、丹沢南麓の不老山や、山中湖の東にある、三国山、大洞山などで、うまくすれば、天守山地の毛無山、雨ヶ岳も見えるかもしれない。聖岳や、赤石岳が見えるとしたら毛無山、雨ヶ岳に重なるように見えるはずである。
 瀬上市民の森のポイント(F地点)からはどうか。ここでも30倍ズームで撮影したがやはり写らない。松の内公園より標高は50mは高いはずで、南アルプスはどこかの山の陰に隠れてしまっているのだろう。あるいはここでも高さ不足なのか。
 庄戸住宅地の東尾根に行くしかないだろう。ハイキングコースらしくするために、住宅地との間は篠竹の薮になっているところが多いのだが、何カ所か、西側への眺望が開ける。まず住宅地北端に近いSn地点。アッ、見えるではないか。(上の写真左、および下の写真)青空をバックに真っ白に輝いている。肉眼では米粒のように小さく、雲といわれればそうかとも思うくらいだ。さすがにズームの威力。きちんと写っている。さらに南に下って、住宅地南端に近いSs地点。ここからもよく見える。写真で見ると、Sn地点よりよく見えている。(写真右)さて見えている山はどの山だろう。地図で方向を確かめると、どうも、北側が悪沢岳、南側が赤石岳のようだ。地形図から読み取れる形にも合致しそうだ。この2枚の写真を較べると、Sn地点とSs地点は700m程度しか離れていないのに、手前の山による隠れ方がかなり違う。これなら、さらに1kmほど北のF地点で赤石岳、悪沢岳の両方ともが隠されてしまうのは納得が行く。

 これだけはっきり写るのだから、M地点からは見えないのだろう。しかし、やはり地図を使って裏付けをしておくべきであろう。Ss地点から見ると、赤石岳は山中湖東側の三国山とその北に連なる山の間の低くなったところ(三国峠)を通して見える。その北の山は丸い穏やかな2つのピークを作った後低くなる(切通峠)。悪沢岳はこの低い所を通して見える。Ss地点からはこの2つの「窓」を塞ぐ手前の山がない。松の内公園(M地点)からは、南の窓を通して聖岳が、北の窓を通して赤石岳が見える配置であるが、北の「窓」は日影山など西丹沢の尾根の末端の山に塞がれ、南の「窓」は富士北麓の丸山や、天守山地の毛無山に塞がれてしまっているようである。この様子は2月1日朝撮影した下の写真でよく分かる。前夜(1月31日)この一帯に雪が降ったせいか、朝日のせいか、山ひだがはっきり写って、山の遠近が判別しやすい。日影山の手前にある山ははっきり断定は出来ないが、ジダンゴ山およびその西方の870m程度の山ではなかろうか。F地点からはこの2つの「窓」越しに南アルプスの山を見ることは出来ない。

松ノ内公園から見た三国山付近

松の内公園の場合



庄戸住宅東の尾根Ss地点の場合

 なお写真は全てアンシャープマスクを使ってシャープな画像にしている。

 この日撮ったほかの写真も載せておこう。円海山ハイキングコース北側の入口にあたる、ヒヨドリ団地入口の展望所(H地点)から撮った写真である。
 この地点からは天気がよければスカイツリーがよくみえる。東京タワーは、横浜港付近に高層ビルが建ち並び始めたので、隠れてしまっているかもしれない。以前、少し離れた円海山市民農園東側の展望所から撮った写真には発見できなかった。
 今回の写真にはそれらしい塔が写っている。google map で線を引き、google earthでその線の方向に移動してみる。たしかに東京タワーにたどり着いた。そしてその先には写真に写っている特徴のあるビルがそびえている。西新橋にある「虎ノ門ヒルズ森タワー」。google map上で「H地点」と「虎ノ門ヒルズ森タワー」を結ぶ線の上に、東京タワーがあることが確認できる。写真手前は洋光台団地。林を越したところは汐見台団地。
 


 甲武信岳から国師岳にかけての写真も載せておこう。松の内公園からは三頭山にほとんど隠されていたが、H地点からは山容が見えると思ったが、写っているのは南東にある標高2468mのピークのようである。
 


(20190202)



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