ゼーフェルト(アッター湖畔) Seefeld am Attersee 5月25日〜26日         地図(Map)

    
 宿泊:Hotel Föttinger
 朝9時半にアパートメント・カールスプラッツを出て、地下鉄を乗り継いでウィーン西駅へ。ザルツブルク行きIC(Inter City Express)で、フェックラブルックへ行き、バスに乗り換える。バスはバイパスを通らず、家の間の細い曲がりくねった道を走る。20分ほどでアッター湖の北岸に着く。ザルツカンマーグートの北の外れに当たる。アッター湖はザルツカンマーグート最大の湖で、この辺りは夏の日差しも明るく、開けた感じ。バスは湖の東岸を南に進む。15分ほどで、シュタインバッハにつく。湖岸には何もない。おかしいと思って、運転手にホテルの名前をいうと、一つ前の停留所だったという。スーツケースを引いて、500メートルほど戻った。表から見ると道沿いのおもむきもない建物で、少々がっかり。時間の少し早かったが、フロントに人もいない。ちょっと奥のバーで客の相手をしている人はいるのだが。しばらく待つと、この地方の衣装を着た女の人が出て来て対応してくれた。
 部屋は2階にあった。ロビーから階段を上がるとピアノや、マーラー関係の本、マーラーの肖像画などが置かれていた。
 私の部屋は、清潔で、きれいな部屋だった。マーラーの絵がソファーの後ろに掛けてあった。窓際には10冊くらいの本があり、その中にもマーラーがあった。窓は道とは反対側にあり、湖は見えないが、その向こうの荒々しい山が見えた。

 第一の目的は、マーラーの作曲小屋(Mahler's Summer Cottage for composition) を見ること。宿泊手続きをするとき「マーラーも小屋を見たいか」と訊かれたので「もちろん」というと、「フロントで鍵を受け取って行くように。」といわれた。
 キャンプ場の外れの湖の際の小さな小屋だった。扉を開けると、この小屋で作曲された交響曲第3番が流れ始めた。思っていたよりずっと遮音性はよく、静かに流れる音楽が心地よかった。部屋の真ん中にはピアノがあり、壁にはマーラーの経歴や、交響曲の楽譜、その他いろいろの写真などが貼られていた。窓からは、アッター湖のこ面が光っていた。
 今この小屋の回りはキャンプ場になっている。この日は5月最後の日曜日。少し早い夏の週末を楽しむ人が随分いて、ヨットや、ダイビングを楽しんでいた。今から100年以上前には人もほとんどいなかったから、マーラーは仕事に打ち込めたのだろう。ホテルの向かいの広場に立っている幟もマーラーだった。


 バスを降りたシュタインバッハにある教会(The Church in Steinbach am Attersee)まで、山の麓の散歩道があるというので、歩くことにした。木々の木陰を行く快適な散歩道だった。視界が開けると、牧場と、湖と、険しい山並みの中に立つ教会が見えた。アッタ−湖は北の方はのどかだが、南は険しい山が迫って厳しい表情を見せる。 


 夕食はビール、ホワイトアスパラガスのスープ(エビが入っていた)、牛のほほ肉のシチュー、ロール、エスプレッソ。おいしかった。今回の旅行で最もいいホテルだった。といっても、オーストリアで泊まったのはこのホテルを除くと、アパートメント、ペンション、修道院のゲストハウスであったから当然なのかもしれないが、気持ちのよいホテルだった。


ウィーン Vienna(5/22) に戻る。
ザンクト・ウォルフガング St. Wolfgang(5/26−27) に進む。
ヨーロッパ芸術紀行 の頭に戻る。 (to the first page of 2014 Europe)
inserted by FC2 system